「考える力」と同様に必要な「〇〇〇力」
クラブチームやサッカースクールのサイトを見てよく出てくる言葉が
「考える」
というキーワード。
考えることで脳を使います。
非常に保護者ウケの良さそうな言葉。
確かにひと昔のように監督コーチの言われた通りにプレーする時代ではないです。
残念なことにいまだにパワハラ指導は存在しすがね。
もちろん当サイトも例外ではありません。
ケーススタディを重ね、ある程度のヒントを与えてみて
あとは似たようなパターンやトレーニングの中で認知判断実行を引き出すようなメニューや声掛け。
これについては全く問題ありません。僕もこれが理想だと思いますし、こういった指導は多くしていきたいと思っています。
ただ、考えてプレーするだけでいいのでしょうか。
ジュニアという育成段階では
チーム戦術よりも個人戦術の方が重要なことは
まともな指導者ならわかっていると思いますが
自分の考えた事を押し通しても
勝利やゴールには結び付かないことも多いです。
独りよがりでプレーし
周りがついてこれないと
ワンマンプレーや文句やで終わってしまう場合も。
戦術理解の低い日本の選手
日本代表が世界で勝てないのはわりとこういう部分が抜け落ちていたりするんですよね。
日本代表って自分たちと相手との噛み合わせ見ても点差が動いてもやることいっつも変わらないのは何でだろうね。もうイマドキのサッカーってどんどん試合中に修正しながら変えていくもんだと思ってたんだけど、ずーーーっと同じことばっかりやってる。
10分ぐらいで修正できるアーセナル。
35分で2点失点するまでなにも変えられない日本。
簡単に比べるものではないけど、
シティVSアーセナルみた人は
試合前のスカウティングから試合中の修正の重要性を考えさせられたのではないだろうか
「試合中のピッチ上での修正」ってのは日本人の課題なんだろうな。
日本代表でもそうなんだから。
ネット上ではいつもこういった話題が出てきます。
修正能力=戦術のレパートリー
試合中の修正能力とは
当然、上手くいかない事や通用しない部分、
ピンチを招いている部分、逆に相手が隙を見せている部分などの
やり方をチームとして変えていくことです。
よくサッカーは自由なスポーツだと言われますが
日本の試合では監督コーチの怒鳴り声が鳴り響く試合が多いと感じます。
怒鳴られるのではないかと萎縮した選手から自由な発想などは生まれてきません。
むしろミスを恐れた
消極的なプレーの方が多いのではないでしょうか。
ジュニアやジュニアユースでのハーフタイムで
ベンチの中はどんな感じでしょう?
選手を並べて給水、その後に
コーチが後半の戦い方を説明、指示を出す。
これはコーチの質にかかわらず
ほとんどのチームがこのようなハーフタイムを
過ごしているのではないでしょうか。
サッカーだけに限らない「考える力」
スペイン語ですがこの動画みてほしいです。リーガ・プロミセスU12の国際大会でデポルティボラコルーニャのハーフタイムでの1シーン。監督の「どこを狙われてる?」「相手の守備の切り方は?」の質問に対し選手が次々発言し共通理解を促しています(https://t.co/iUZpgXQ7cL
— JunTakada / 高田 純 (@ney10jun) February 13, 2019
上のツイートだと動画が上手く見れませんでしたので
こちらのツイートで見ていただければ。
Escuchen.
Vean.
Disfruten.Esto. Es. Fútbol.@RCDeportivo 💙 #LaLigaPromises pic.twitter.com/hQNOFWVXYu
— LaLiga (@LaLiga) 2018年6月3日
スペイン語はわかりませんが
選手の熱量や戦術理解、修正能力がどれくらいか
伝わってきます。
このようなハーフタイムは日本ではまず見ることできませんよね。
なぜなら↓このようなコーチがほとんどだからです。
何でもそうだけど言葉の定義(definition)やデファクトスタンダード(事実上の標準)を吹っ飛ばして、「私の考えでは〜」が日本の指導者の謎のオリジナル思想の根っこにあるような気もします。人に物事を教える立場の人間は、主語が I(私は)になると矢印ズレる。
— MSF00-Kaeru-futsal (@MSF00_Kaeru) January 30, 2019
このように主語が
「私の考え」になると
- 全く根拠のない。
- 私だけが成功した経験した上での。
- 私が教えられたことは。
という100%世界では通用していない日本独自のサッカー論を教えているからです。
世界基準の指導者は
自分の教えていることが
育成年代で必要なことは何かを知っています。
ですからトレーニングでも
間違った事は教えていないし、何よりも選手を信じていますね。
コーチも選手から何かを引き出そうとしているのが動画からもわかります。
このようにお互いがリスペクトし合って
なおかつ正しい方向にベクトルが向いているからこそ
良い選手が生まれ続ける秘訣なのかもしれません。
サッカーに限らず日本人には
「指示待ち人間」と呼ばれる、言われなかった何もしない人間や
「事なかれ主義」という長いものには巻かれていた方が安心
みたいな風潮が多くあります。
それは指導者ごとに言うことが違うといったブレブレの指導方針があるからなのではないでしょうか。
小学校、中学、高校とそれぞれで全く違った考えの指導者、チームに所属しなければならない日本の育成スタイル。
国を相手にしても仕方ないのですが
せめて自分が指導できる範囲の子どもたちには
話す力をつけてほしいと思いますね。
例え間違っていても自分の意見や考えを主張できる事は
将来絶対にマイナスにはならない事だと思っています。
こういった選手間ミーティングは
日本のチームでも浸透してほしいと思うメニューの一つです。
お国柄という言葉で逃げたくはありませんが
話す力、主張、意見を聞く。そういった部分も育成の一つなのだと思います。